伝統工芸を
「使いこなせるアート」へ
博多曲物の起こりをたどれば、実に西暦200年頃。「清らかな素木に神霊が宿る」と、神社の奉祭品としてはじまった曲物(まげもの)。
やがて茶道の所作に用いられる道具、正月や婚礼などの縁起もの、さらには弁当箱やおひつなどの民具に至るまで。時代を超えて、ハレとケあわせ、さまざまに用いられてきました。
とりわけ博多曲物は、松竹梅や鶴亀など縁起かつぎの模様が描かれるのが特徴です。
そんな独自の「絵付け文化」を現代にアップデート。三段重、高台菓子器、収納箱に、今をときめく4人のアーティスト・デザイナーによる絵や図案を施し、それぞれの個性を吹き込みました。
伝統工芸品の持つ気負いをおおらかに取り払い、おせちやお弁当をきれいに盛り付けたり、大切にしたいものを収納したり。暮らしの中で使いこなせるアートピースとして。民藝のたたずまいを醸しながら、暮らしになじむ雑貨的な愛らしさにも富んでいます。
あたりまえの風景を、少しだけ瀟洒で特別なものにする。そんな「ハレるしつらえ」をお届けします。


- 博多曲物のものづくりかの応神天皇が西暦200年頃に誕生した際、へその緒などを収めた丸い木の箱に始まるとされる博多曲物。それから今日にいたるまで、日本三大八幡宮のひとつである福岡の「箱崎宮」とは、深い絆で結ばれています。
神事の道具、お宮の調度品の製作や修理など。その特別な役目を代々担い、本殿に上がることを許され奉仕してきたのが、柴田家。この神聖なしきたりを今につなぐのが「博多曲物玉樹」の18代目・柴田玉樹氏です。
当時としてはとても珍しく、女性の職人として跡を継いだ柴田氏。格を重んじる道具から、暮らしになじむ民具まで。時代の流れと軽やかにダンスしながら、曲物のようにしなやかな姿勢で歴史と技を守り継ぎ、今や福岡県指定無形文化財の保持者として、確固たる存在感を放しています。




