• Donchi

    曲物といえば、もともとお弁当箱や裁縫箱のように日常の中で機能する、ふだん使う道具としてのイメージを持っていました。自分もキャンバスに描くアート作品とは別に、日々使っていただけるものを作るのは好きですし、本プロジェクトの図案もまた、今の生活において関心があるものとつながっています。
    草花や果物、生き物、日々の暮らしの風景をモチーフに、パッチワークで構成された古いキルトの表現や、都市の慌ただしさから少し距離を置いたカントリーハウス的な世界。骨董や民藝のものが持つ、本来の目的から離れて、彫刻のようにただ飾っているだけで愛おしく見える姿。そして気分が明るくなる、ときめきを感じる色の組み合わせ。そんなさまざまなところから発想し、ディテールに落とし込んでいます。
    絵を全面に埋めたいと思ったのは、素材や形が「一体化」するような感覚を追求したかったから。食べるものだけでなく、好きなものを入れる「気持ちが詰まった箱」のように使ってもらえるとうれしいです。

  • ドンチDonchi
  • 1986年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。花や動物、生活の風景など、身近なモチーフを大胆で軽やかな構成と鮮やかな色彩で描く。絵画への関心を起点に、型染めをはじめとする染色技法を軸としながら、和紙や布の作品、キルト、陶磁器などへ制作の幅を広げている。2026年より長野県富士見町を拠点に活動。
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収納箱

高台菓子器

三段重

  • Ikki Kobayashi

    はじめて博多曲物を見たとき、何も印刷されていない素木のままで完成された美しさに驚き、自分がここに手を入れることへの戸惑いがありました。だからこそ表面的な飾りではなく、木にシルクスクリーンだからこそ表現できる、ふさわしい図案が必要だと思ったんです。
    三段重はとくにハレの日に使われる道具ではありますが、直接的な縁起物を描くより、使う人の心に風景が広がるものにしたい。そう考えて行き着いたのが「雪の結晶」でした。薄く膜を引くようなシルクの白はインクの厚みがなく、微妙に透け感のある、本物の雪の質感とも重なります。
    図案はすべて、折り紙にハサミを入れる切り絵の手法を用いています。数ヶ月間ひたすら作り、原寸をピンセットで配置し、バランスを見ながら試していきました。デジタルで作る完璧な均一さではなく、切り絵ゆえに生まれる微妙なズレから、大らかな手仕事ならではの面白さが感じられたらと思っています。

  • 小林一毅Ikki Kobayashi
  • グラフィックデザイナー。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、株式会社資生堂を経て独立。女子美術大学、多摩美術大学非常勤講師。
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高台菓子器

三段重

  • Lee Izumida

    ふだんからデジタルで絵を描かない私にとって、実際に手を使った伝統工芸のものづくりには、強く惹かれるところがあります。なので曲物に絵付けをするという機会にトライできることが、とてもうれしく思いました。
    サンプルが届いて開けたとき、とにかく木の香りが素晴らしくて。素朴でぬくもりのある天然の素材、一個一個の手作業による質感に、愛おしさを覚えました。個人的な話になりますが、ちょうどその頃、私のお腹に子どもがいることがわかったタイミングで。工房のものづくりを拝見するうち「これは長く使えるものだ」と実感し、すぐ「いつか子どもに引き継ぎたい」と思えるようなものを描こうと決めました。
    もともと好きでよく描いていたおめでたい馬のモチーフを、木の質感や香りを壊さないよう、あえて和紙を用いて、掠れのある線画で表現しています。
    ここから使う方の思い出がどんどん蓄積されて、その人だけの特別なものに育っていってくれたら、という願いをこめて。

  • リー イズミダLee Izumida
  • 絵描き。1986年、北海道生まれ。幼少期から絵を描き始める。 アメリカ留学時に絵を学ぶ。2015年より東京に拠点を移し、2019年より本格的に絵描きとしての活動をスタート。アクリル画の作品を中心に、看板や宣伝美術、ウィンドウに用いられる絵や文字を描いている。
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高台菓子器

三段重

  • Ryohei Sasaki

    私は福岡で生まれ育ちましたが、意外と博多の伝統工芸や地域の文化に深く関わる機会は多くありませんでした。今回きっかけをいただき、曲物の歴史について調べていた際「日本は木の国、森の国であった」という記述とともに、『古事記』や『日本書紀』には、人々の暮らしと木々との深い関わりが数多く描かれています。
    とくに素戔嗚尊(スサノオノミコト)が自身の体からさまざまな樹木を生み出し、その用途を人々に示したという説話に興味を惹かれました。木が生活や文化を支える大切な存在として描かれている点が、木を素材とする曲物の背景とも重なるように感じられたため、その神話的なイメージを、モチーフとして取り入れました。
    ふだんから焚くことが多いお香や香木、また夏の時期であれば蚊取り線香など、季節の道具を収納する器としても使ってみたいです。日常の中で身近に置きながら、木の質感や経年変化を楽しみたいと思っています。

  • 佐々木亮平Ryohei Sasaki
  • 1985年福岡県生まれ。福岡在住。ガラスペンとインクを使った緻密な描写を特徴とする絵画から出発し、近年は油彩表現をを軸に作品を制作する。平面での表現を主軸としながらも拾った瓦礫に自身のコレクションの本のページを貼り付けたコラージュ、陶器の花器、タイルを使ったオブジェなど、身の回りの体験やイメージを最適な方法で形にすることを探求し続けています。
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高台菓子器

三段重

受注期間①
2026年6月19日(金)~7月6日(月)